マリー・アントワネット
2007年 01月 29日
2007年/アメリカ・フランス・日本 監督/ソフィア・コッポラ
<TOHOシネマズ二条にて鑑賞>
「フェルゼンとは純愛じゃなかったのねっ!」
フランス人以外で日本人ほど他国の王妃であるマリー・アントワネットの生涯に詳しい国民もあるまい。かく言う私も「ベルばら」フリークの1人。小学生の頃、単行本に塗り絵してたし、宝塚初演の榛名由梨オスカルを見てる。マリー・アントワネット役は初風じゅんだったぜい。ふる~。当時となりのおばさんが宝塚ファンで内部の方とコネがあるらしく、小学生だった私もすごく前の席で見られたの。その絢爛豪華な世界に圧倒されたのなんの。
「あ~い~、それは~」の名曲、全部歌えます(笑)!
というわけで、知りも知り尽くしたマリーの生涯を映像化するとどうなるわけ!と興味津々で観にいったわけだけど、これまた漫画に劣らぬまばゆさに拍手喝采!でございました。何と言ってもベルサイユ宮殿全面協力ってのがすごいです。よくもまあ、アメリカ人監督の映画にフランス政府が協力してくれたなあ。昔「ベルサイユのばら」が映画化されたことがあったんだけど、豪華さでは比べものになりませんことよ!鏡の間を行き来する着飾った貴婦人たち。やっぱりハコがすごいと映えるわ~。
そして美しく、愛らしい衣装たち。今回衣装を担当したのは、イタリア人のミレーナ・カノネロ。我が敬愛するキューブリックの「時計じかけのオレンジ」や「バリー・リンドン」など数々の映画や舞台の衣装を手がけるお方でございます。この方、それなりのお年だろうとは思いますが、全ての衣装が豪華だけではなく10代のマリーの愛らしさやポップなテイストをふんだんに取り込んで新しいスタイルを表現しているのがすばらしい。
おそらくこれは、監督のソフィア・コッポラがいかに自分のイメージをきちんと伝えて、コンセンサスを取り合っているかの現われだと思う。それは、靴やヘアスタイル、そしてあのおいしそうなスイーツたちもしかり。ソフィアの世界観が美術、衣装、小道具の全てに行き渡っている。ただ美しいというだけでなく、いかにソフィアの表現したいマリーの世界を周りのスタッフが理解していたかが実によくわかる。マカロンタワーは、ほんとにフランスにあるの?それとも創作?あのセンスはすごいよ。
で、ハコも着るものもすごいんですが、肝心のマリー・アントワネットの生涯はなんだか物足りないんですな(笑)。さあ、これからヴァレンヌ逃亡でああギロチン台かぁ(泣)と思ったら終わっちゃうの。いかんですなあ。ベルばらファンはどうしても怒涛の人生をマリーに重ねちゃうんだもん。ソフィアはあくまでもティーンエイジャーとしてのマリーの憂鬱と怠惰を描きたかったんですものね。悲劇の女王を描く一大抒情詩的映画ではないんですもの、この映画は。
噂好きなふたりの叔母とかルイ・シャルルの死とかベルばら読んでない人なら、これ誰?何があったん?ってなハショリ具合もこれまた潔し。ただね、暴動が押し寄せてくるくだりの「私は夫と共にいます」の当たりはね、あれ?いつのまにマリーいい子ちゃんになったのかしらってな感じで。贅沢三昧から足を洗った心境をもう少し描いてくれたら良かったな。まあ、それをさっぴいても、マリー・アントワネットという題材に対してガーリーな映像とニュー・ウェーブという組合せを持ってくるソフィア・コッポラのセンスはすごいと思うのだ。
<TOHOシネマズ二条にて鑑賞>
「フェルゼンとは純愛じゃなかったのねっ!」
「あ~い~、それは~」の名曲、全部歌えます(笑)!
というわけで、知りも知り尽くしたマリーの生涯を映像化するとどうなるわけ!と興味津々で観にいったわけだけど、これまた漫画に劣らぬまばゆさに拍手喝采!でございました。何と言ってもベルサイユ宮殿全面協力ってのがすごいです。よくもまあ、アメリカ人監督の映画にフランス政府が協力してくれたなあ。昔「ベルサイユのばら」が映画化されたことがあったんだけど、豪華さでは比べものになりませんことよ!鏡の間を行き来する着飾った貴婦人たち。やっぱりハコがすごいと映えるわ~。
そして美しく、愛らしい衣装たち。今回衣装を担当したのは、イタリア人のミレーナ・カノネロ。我が敬愛するキューブリックの「時計じかけのオレンジ」や「バリー・リンドン」など数々の映画や舞台の衣装を手がけるお方でございます。この方、それなりのお年だろうとは思いますが、全ての衣装が豪華だけではなく10代のマリーの愛らしさやポップなテイストをふんだんに取り込んで新しいスタイルを表現しているのがすばらしい。
おそらくこれは、監督のソフィア・コッポラがいかに自分のイメージをきちんと伝えて、コンセンサスを取り合っているかの現われだと思う。それは、靴やヘアスタイル、そしてあのおいしそうなスイーツたちもしかり。ソフィアの世界観が美術、衣装、小道具の全てに行き渡っている。ただ美しいというだけでなく、いかにソフィアの表現したいマリーの世界を周りのスタッフが理解していたかが実によくわかる。マカロンタワーは、ほんとにフランスにあるの?それとも創作?あのセンスはすごいよ。
で、ハコも着るものもすごいんですが、肝心のマリー・アントワネットの生涯はなんだか物足りないんですな(笑)。さあ、これからヴァレンヌ逃亡でああギロチン台かぁ(泣)と思ったら終わっちゃうの。いかんですなあ。ベルばらファンはどうしても怒涛の人生をマリーに重ねちゃうんだもん。ソフィアはあくまでもティーンエイジャーとしてのマリーの憂鬱と怠惰を描きたかったんですものね。悲劇の女王を描く一大抒情詩的映画ではないんですもの、この映画は。
噂好きなふたりの叔母とかルイ・シャルルの死とかベルばら読んでない人なら、これ誰?何があったん?ってなハショリ具合もこれまた潔し。ただね、暴動が押し寄せてくるくだりの「私は夫と共にいます」の当たりはね、あれ?いつのまにマリーいい子ちゃんになったのかしらってな感じで。贅沢三昧から足を洗った心境をもう少し描いてくれたら良かったな。まあ、それをさっぴいても、マリー・アントワネットという題材に対してガーリーな映像とニュー・ウェーブという組合せを持ってくるソフィア・コッポラのセンスはすごいと思うのだ。
by galarina
| 2007-01-29 20:42
| 映画(ま行)