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「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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満月の夜

1984年/フランス 監督/エリック・ロメール
<4つめの格言:人の妻を持つ者は心をなくし、二つの家を持つ者は分別をなくす>

満月の夜_c0076382_23435294.jpg


「自由を謳歌するには大人の分別が必要」
パリ郊外に引っ越してきたルイーズとレミのカップル。パリで働くルイーズは、週末の夜遊びが大好き。せめて金曜の夜は自由に遊ばせてくれ、浮気するわけじゃない。私はたまには、自由の時間が欲しいだけなんだから。それで、きっとあなたのことも、もっと愛せるようになる。ルイーズは、週末用にとパリに部屋を借りてしまうのだが…。

アイタタタ…。このルイーズの自己主張、まんまワタシの持論と同じだぁ。耳が痛い(笑)。現在、田舎暮らし中の私は、仕事用に都会にも部屋が欲しいと思ってまして。ほんと、ルイーズの言うことなす事、鏡を見ているようでつらい。でも、こうやって客観的に見ると、ルイーズのやってること、すごくワガママに見える。ちょっと、考えを改めなければならないのか!?とかなり身につまされる作品でした。

ルイーズはパリにいる時は妻子持ちのオクターブと遊ぶことが多い。このふたり、肉体関係のない、いわばプラトニックな関係。一見して、良き友人として付き合っている、例えば「SEX AND THE CITY」のキャリーとスタンフォードのような関係かと思いきや、おっとどっこい。オクターブの心中には、チャンスさえあればルイーズと寝たいという欲望はくすぶっている。

これまた、フランスらしい個人主義と言いますか、彼は彼、男友達は男友達と割り切った人間関係をみんな認め合っている社会なんだな、というのがよくわかる。ただ、そのためには大人としてのセルフコントロールがとても大事で、ルイーズはまだまだ子どもなんですね。正論を振りかざせるほど、自己抑制できていないオンナの子。だから、オクターブにもつけこまれちゃうし、最後にはレミから痛い目にあっちゃう。でも、この子は反省したりしないんだろうなあ。ちょっと苦い経験したけど、また別の男を探すわよ、なんて切り替えていきそう。

ルイーズを演じているパスカル・オジェ。鈴木保奈美のような三白眼で舌っ足らずな甘えた口調が印象的。クラブでルイーズをひっかける男の子をクリスチャン・バディム(ロジェ・バディムとブリジット・バルドーの息子!)が演じているんだけど、正直イケメンとは言えん。レミにしても、オクターブにしてもそうなんだけど、ロメール作品にはイケメンが全然出てこない。フランス人なら、背の高いすらっとしたオトコマエがうざるほどいるだろうが!と思うんですけどねえ(笑)。
by galarina | 2008-10-26 15:18 | 映画(ま行)