「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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うつせみ

2004年/韓国 監督/キム・ギドク

「究極の愛の形を求めて彷徨うギドク」
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レイプだの、ロリータだの、ギドクって男は女を何だと思ってるんだと思ったら、こういう女性の願望をそのまま投影したようなロマンティックな作品を作ってしまうから本当に参る。結局、彼はとどのつまり“愛”って何なんだ?という旅を続けているのだろう。いろんな角度から愛を眺め、出ることのない答えを求めて作品を作り続ける愛の殉教者とでも言おうか。

通りすがりの男に何かも預け、連れ去って欲しいというのは、女の究極の憧れかも知れないと、「ヴァイブレータ」でも書いた。あれがトラックに乗った王子様なら、こちらはバイクに乗った王子様。しかも、このふたりに言葉は無用。何も言わなくても全てが通じる。夫に責められようが、警察に捕まろうが何もしゃべらない。これが実に象徴的。言葉にした途端にふたりの関係は実に陳腐な代物に成り下がってしまいますから。

テソクがソナを連れ去り毎夜留守宅に泊まる前半部を “動”だとすれば、ふたりが警察に捕まってからの後半部は“静”の展開と言えましょう。しかし、鑑賞後心に深く残るのは、“動”ではなく“静”の方。ソナがふたりの名残を求めるかのように、泊まった留守宅を再び訪ね歩くシーン。そして、テソクが「影」を体得するために刑務所で見せる幻想的な舞踏。映画とは、映像で心に語りかけるもの。その幸福感が私を満たす。

ラストはギドクには珍しく愛の成就が感じられてカタルシスを覚える。肩越しのキスシーンもいいし、影の朝食のシーンも素敵だ。しかし、抱き合ったふたりの体重計の目盛りはゼロ。最後の最後になってギドクはわずかな毒を残したか。だが、その毒は私の心を汚すことなどなかった。だって、実に映画的な恍惚感に包まれていたから。

ただ、ギドクってこうやって、幸せな気持ちにさせておいて、また突き落とすようなことするのよ。これが、ギドク・マンダラならぬギドク・スパイラル。一度はまると抜け出せません。
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by galarina | 2007-05-20 23:42 | 映画(あ行)

サマリア

2004年/韓国 監督/キム・ギドク

「懐疑心を打ち砕くギドクの才気」
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<ヨジンとチェヨンは親友同士。2人でヨーロッパ旅行へ出るために、チェヨンが援助交際をし、ヨジンはそれを嫌いながらも、見張り役をしている。ある日、警察に踏み込まれたチェヨンは、いつもの笑顔を浮かべたまま、窓から飛び降りてしまい…>


少女の「性」に対して、独自の価値観を生み出す。その視点のオリジナリティはさすがギドク。もちろんその視点を快く受け入れられるか否かというのは別物だ。第一部「バスミルダ」において、少女チェヨンはセックスを通じて男たちに幸せを与えているのだと言う。そこに感じるのは買春する男たちの正当化である。男の考える勝手なロジックかよ、と嫌悪を抱き始めたら、なんとその少女は突然死ぬ。体を与えていた少女は罰を受けたのか、といったん考えを翻されたところで第二部「サマリア」が始まる。

すると次の少女は、体を与えた上にお金を返すという。友達を見殺しにした罪を売春することで償う。今度は体を与えることが償いになるんですね。おまけに買春した男に「感謝しています」と少女に言わせる。全くこの展開には参ります。体を与える巡礼の旅って、どうしたらそんな発想ができるのでしょう。

そして第三部「ソナタ」、この少女の父親が娘の買春相手に報復する。これでようやく男たちが裁かれるのかと思ったら、そうじゃない。なぜなら、父は娘の少女性に男としての欲望があって、嫉妬に狂っていると私は感じたから。もし彼が父として娘を戒めたいなら、その矛先は娘に直接向かうはずです。だけども、彼の行動はまるで夫の愛人に憎しみが向かう勘違いな妻と同じです。

これはロリータ男のとんでもない言い訳のような解釈もできそうな映画である。でも、実はこの作品、私はそんなに嫌いじゃない。と、いうのも少女性に神秘や神性を見るというのは、女である私も理解できるから。そして、視点を変えながら「性」を切り取るこの3部構成の手法が実にうまい。

また、ふたりの少女が公園で戯れるシーンや穢れを落とす風呂場のシーンに少女性を実に的確に見せるギドク監督の才能をひしひしと感じる。極めつけは、黄色いペンキのシーン。私はこれまでギドク監督に北野監督を重ねたことなど一度もなかった。しかし、このシーンは初めて北野武が頭をよぎりました。

セリフではなく映像で、しかも実に印象的な美しいシーンで我々に訴えてくる。これは、やはりセンスがないと無理でしょう。私の心は、一歩引いて疑ったり、ぐっと惹きつけられたりを繰り返しながら、最終的にはギドクワールドをたっぷりと堪能させられてしまいました。


  
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by galarina | 2007-05-19 23:47 | 映画(さ行)

悪い男

2001年/韓国 監督/キム・ギドク

「苦痛を乗り越えて」
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<女子大生ソナに一目惚れしたヤクザのハンギ。その場で強引にキスし警官に取り押さえられたハンギは、ソナに罠をかけ売春宿へ売り飛ばしてしまう。それから、ハンギは毎夜客をとる彼女の姿をマジックミラーの中から見つめるのだった…>


本当にこの男は「悪い男」です。私はこの男が許せません。身勝手過ぎる。こんな身勝手な行為の向こうに純愛を感じ取れ、なんて無理です。これは原題も「悪い男」なんでしょうか。もしそうなら、その開き直りっぷりが腹立たしいくらいです。

とまあ、映画の物語を「自分のこととして語る」ことが適切なのか、こういう映画を見るとそのことを痛烈に感じずにはいられません。物語の中でソナは自分の運命を受け入れ、ハンギと生きていくことを選びます。ソナ本人がそれを望んだのだから、私がとやかく言うことではありません。頭では分かっていてもこのような作品の場合、物語を物語のまま受け取ることは困難を極めます。

例えば、「私もこんな人生が生きてみたい!」と思うシンデレラストーリーには、そこにそのまま自分を重ねられます。しかし、私もソナのようになりたいと思う女性はほとんどいないでしょう。ここに「物語を自分のこととして重ねる」という映画の見方以外に、別の見方があるのだと気づかされるのです。これは当たり前のことですが、やはりラブストーリーの体裁を取っている作品は女としてどうしても物語の中に自分を置いてしまいます。

だからこそ、こういう作品を見ることは鍛えられます。感情的にならずにひと呼吸置いて、作品全体を味わうことが試されます。すると、倒錯した愛の形にほんのりと甘美な味を見つけることができます。地獄まで落とされたハンギに愛を見いだすソナの心情に共鳴できる部分も生まれます。

あらすじだけ書いたら売れないエロ小説のようですが、キム・ギドクの手にかかると屈折した心理の向こうにゆらゆらと美しいものが揺れているような感覚に陥る。それは、やはり彼独特の映像の美しさの成せる技。キム・ギドク作品は私にとって修練の場のようなものです。もちろん、そこには大きな苦痛も伴うのだけれど。
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by galarina | 2007-05-18 01:02 | 映画(わ行)

イルマーレ

2001年/韓国 監督/イ・ヒョンスン

「荒唐無稽をきっちり見せられる力量」
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見終わって率直に「よくできてるなあ」と感心した。映画なんて所詮「そんなアホな」で成り立っているもので、それにいかに共感できるかは、脚本の精度、役者の演技、演出の妙にかかって来るわけです。しかも、これは私の苦手なタイムマシンネタである。「何でもタイムマシンにぶち込めば、なんなとストーリーできまんがな」と斜に構えているそんな私でも、この作品はとても楽しめた。

しかも、この作品がすごいのは常日頃タイムマシンものを見ている時に感じる「あの時こうだったら、今はこうでしょ?」「こことここが辻褄合わないんじゃないの?」と言う余計な詮索を最後まで一切持たなかったところである。これは、あくまでも劇中にそういう余計なことに頭が行かなかった、ということで、実際におかしなところはあるのかも知れません。ただね、しっかりと二人のラブストーリーにハラハラドキドキ集中できたのです。っんと、よくできてる。

主人公を演じるチョン・ジヒョン。彼女は演技の幅が広いね。コケティッシュだったり、繊細だったり、いろんな顔を演じ分けられる。何がいいって「嫌味がない」ところ。ストレートロングヘアの端正な顔立ちは一見男受けしそうな感じだけど、演技を見ている限り、女性にもとっても好感が持てる。

会いたいのに会えない。それが遠距離ではなく、時空を超えているから、という荒唐無稽な設定だけど、男女がすれ違うその様は、やはり見ていて切ない。その切なさを演出する小道具とかエピソードは、さすがラブストーリーの韓流だけあって、実にうまい。主人公の男が建築家でおされな部屋に住んでいるんだけど、女は売り出し中の声優なんて外し具合もうまいんだな。あまりリアルなのもラブストーリーとしての華やぎに欠けるし、かと言ってオシャレにしすぎて鼻白むようなこともさせない。実に絶妙なバランスです。

そして、ラストのオチね。ラブストーリーとしての王道を押さえつつ、ちょっとした驚きも加味されていて、非常に素敵なラストシーンになっている。映画のラストシーンは大事です。特にラブストーリーは。今作は、韓国映画のラブストーリー作りの力量をしっかり感じられる作品だと思います。さて、ハリウッド版レンタルしようかどうか、悩みますねえ。
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by galarina | 2007-01-23 21:03 | 映画(あ行)

復讐者に憐れみを

2002年/韓国 監督/パク・チャヌク
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こりゃ、すげえや。後味悪いとか、血が多いとかとか、そういう部分で文句つけようと思ったら、いくらでもできるさ。だけどね、映像の美しさ、構図のこだわり、カメラワーク、色遣い。画面の作り込みは、とっても監督の才能を感じる。どんなに残酷なシーンも美しい映像にしたい、という意気込みは半端じゃない。

今作は復讐三部作の第一部。この後「オールドボーイ」「親切なクムジャさん」と続くわけだが、第一部だからといって、後の2作より見劣りするかというとそんなことは決してない。大体こういう三部作なんて銘打って作る場合は、大なり小なり優劣が出るもんだけど、3作品ともそのクオリティは高い部分で拮抗している。これはすごいことですよ。

これは好みの問題かも知れないが、美術が好き。特にボロアパートのインテリアや壁紙、小物たち。姉弟が住んでいる壁紙の模様とか、掛けてある絵画なんかがすごい私の好みにドンピシャなんだよね。チープだけどオシャレ。「オールドボーイ」の主人公が閉じこめられてたアパートも、クムジャの部屋もカッコ良かった。あと、ペ・ドゥナが来ている洋服もセンスいい。

「絵」として気に入っているのは、リュウが腎臓を提供しに鉄の階段を上がっていくところを横から捉えたシーンとか、リュウの足首から噴き出した血が川に赤い模様を形作るところなど、たくさんある。カメラマンが監督の撮りたいものをしっかり理解しているんだろうな、と強く思う。

非常に残酷で不条理な話だけど、ちょっとしたユーモアも非常に効いている。腎臓を入れる氷はわざわざサーティーワンで調達してくるし、チラシを配るユンミもコミカル。復讐に燃えるドンジンは、「電気ひと筋」な男だから復讐方法も電気系統というのも笑える。この辺は、話が残酷だからちょっとくらい面白いことを入れてやれという作為的なものではなく、可笑しいことも残酷なことも日常の中に混在しているということのように感じる。

それにしても韓国の俳優ってのは、つくづくタフだなあと感心する。主演の3人はいずれもトラウマになりそうな強烈な演技を披露してくれる。この後、ラブストーリーに出演、なんて話が来たら切り替えできるんかな。ペ・ドゥナの最期なんてそりゃ悲壮ですよ。だけど、すごい根性だね。肝が据わってる。ちょっとおっぱいが見えたのどうのって、ぎゃーぎゃー騒いでる日本映画の事情が情けない。直情型のへんてこりんな学生運動家をペ・ドゥナは実に愛らしいキャラクターにしていた。

シン・ハギュンは、声が出せないというハンデを全く感じさせない演技。不幸のどん底まで突き落とされた悲しみと何かにぶつけずにはいられない負のエネルギーを体中から出していた。そして、ソン・ガンホ。執拗にリュウを追いかける静かな復讐者。巧いです。


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by galarina | 2006-10-09 17:00 | 映画(は行)

ほえる犬は噛まない

2000年/韓国 監督/ポン・ジュノ
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いやあ、最後までピント合わなかった。面白くなるんか~っと思ったら、すーっと引いていく。個々のシーンで観れば面白いところはいくつかある。

私が一番面白かったのは、管理人がボイラー室で話す「ボイラー・キムシー」の語りのシーンだ。上司に犬鍋が見つかるのを避けるため、話題をそらそうと始めるボイラー室の幽霊話。長いんだ、ここ。どうでもいい話をえんえんやってて、しかも、ストーリーと後で絡んでくるのかと思ったらそうでもない。管理人のおっちゃんの「ウィーンウィーン、じゃなくて、イーンイーン」と何度も繰り返す、とっぽい感じが面白い。

そして、ペ・ドゥナの友人、コ・スヒが路上駐車している車のドアミラーをでぶっ壊し、そのドアミラーをペ・ドゥナが電車の中で大事そうに抱えているシーンや、主人公イ・ソンジェがコンビニまでの距離をトイレットペーパーで測るシーンなど。非常に印象に残るシーンはある。だけども、それが最終的にひとつの作品として語りかけてくるかというと、私には物足りなかった。

賄賂するお金がなくて教授になれない大学助手は犬の鳴き声にイラついている。団地の事務員として働く女の子は、自分の存在価値を確認したがっている。そこにあるのは、現状の鬱屈感なんだろうけども、それが爆発するかと言えばそうではなく、コミカルなエピソードで進行していく。その軽いタッチが私の好みじゃないんだ。見終わった後のこの煮え切らない感は何だろうなあ。たぶんね、タイトルがすごくそそるんだ。それで、すごく期待しちゃったのが失敗のもと?なんて、タイトルのせいにしたりして。


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by galarina | 2006-09-16 23:15 | 映画(は行)

スカーレットレター

2005年/韓国 監督/ピョン・ヒョク
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二転三転する殺人事件の真相と、主人公ギフンを取り巻く女たちが持つ秘め事が複雑に絡まり合う、ラブサスペンス。ある殺人事件をきっかけに担当刑事の愛欲の世界に変化が現れ始める、といった最初の1時間くらいの展開に、なんだかフランス映画みたいだなと感じた。ところがどっこい。後半の30分、血みどろの世界に突入し、とんでもない狂気の世界が繰り広げられる。愛を欲するねばり強さが「韓流」だと言ってしまえば確かにこの作品も韓流なんだろう。しかしこの予想外の展開、なかなか悪くない。

「オペラを熱唱し愛車で疾走する男」「ヌードを撮らせる写真館の女」「猫を飼い瀟洒なマンションに住むジャズシンガーの愛人」そして「チェリストの貞淑な妻」。愛と性を軸に絡まり合う1人の男と3人の女なーんて、まさにヨーロッパ映画的なテイスト。一歩間違うと、どんなに気取ってもアジア人はフランス人にはなれねーよっ!って突っ込みが入るんだけども、なんとかこの作品は耐えてる。写真館の女主人に自分のヌードを現像させる男ってのもね、なかなかいい設定ですよ。

そして、何度も出てくるのが「中絶」というキーワード。女主人は何度も中絶しているという噂があるし、妻は男に黙って中絶した経験がある。そして、原題のモチーフともなっている「不倫」=「姦通」。これらのインモラルな事象が最終的にはあの「トランクの中の悲劇」として結する。最後のトランクのシーンは、本当に壮絶だしショッキング。愛人は男をどこへも逃げぬよう、自分のものにするためトランクを閉めたのかな。

さわやか男のハン・ソッキュが、今作品ではナルシストで我が侭な自己中男を見事に演じている。取り巻く女たちとのラブシーンも鍛え上げた体で堂々とこなしている。愛人役のイ・ウンジェ、ラストの悲壮な結末はやはり彼女の死と重ね合わせずにはいられない。車のトランクの中という極めて閉鎖的な空間で繰り広げられるふたりの演技には、本当に頭がおかしくなってしまいそうなほどの狂気がにじみ出ていた。そこで初めて告白される、男の愛人と妻との隠された関係。状況が状況なだけに、その告白も大きな衝撃を与える。

イ・ウンジェの遺作としてこの作品のレビューを書いたらまた違う内容になるんだけども、私はひとつの映画作品としてレビューを書いた。それだけの作品世界を持っている映画だと感じたからだ。

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by galarina | 2006-09-15 23:59 | 映画(さ行)

四月の雪

2005年/韓国 監督/ホ・ジノ

30分にできる。
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ただ暗くて退屈。余計なシーン、無駄なシーンが多すぎる。そもそも話自体が驚くほどつまらない。不倫カップルの片割れ同士が恋に落ちる、ということは非常に複雑な感情が存在しているはずである。裏切った相手への復讐心もあるだろうし、とはいえ、事故に遭った伴侶は生死をさまよっているわけでそんな状況で性的な関係に陥るという罪悪感もある。それらがいりまじって2人は苦しみ、それでもなお相手を欲するわけでしょ。それが全然伝わって来ない。

他に何も出来事が生じない物語なのだから、この複雑な心理状況にいかに観客をのめり込ませることができるか、というのがこの映画の最大のポイントなわけだ。でも、ストーリーも演出もダメダメ。泣けばいいってもんじゃないです。雪が降っててきれいに涙を流すショットが撮りたいんだよね。とにかく美しい映像にしようというのが、ものすごく引っかかる。こういう状況で肉体関係になることは全然アリだよ。だけども、もっとえぐって欲しい。きれいにまとめないで欲しい。それを求めるのはおかしいだろうか。

伴侶が不倫旅行で事故に遭い、むなしくて寂しい。その寂しさを埋めるために、ふたりは肉欲に走った。なのに「もし僕たちがもっと前に知り合っていたら」なんて乳臭いこと言うのが、どうも納得できない。そういう状況だから肉体関係になったんでしょ?もうワケわからんわ。しかも、主人公が照明技師という設定も全く生きていない。いっそのこと普通のサラリーマンにすれば良かった。そしたら、あのわけのわからないコンサートシーン入れずに済んだのに。

セリフが少ない映画は、演技力と演出が研ぎ澄まされているから成り立つ。でも、本作はしゃべらない上に意味もなく外を眺めるとか、どうでもいいシーンのオンパレード。カットしたら30分に収まる。でも、それじゃ映画にならないわけだ。だから、がんばって伸ばしてみたのだ!というとんでもない映画だった。がくっ。


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by galarina | 2006-08-12 16:46 | 映画(さ行)

私の頭の中の消しゴム

2004年/韓国 監督/イ・ジェハン

2人がとてもいい分、脇役と物語の背景のツメの甘さがものすごく気になる。
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イージーに流してしまう、という部分があちこちに見受けられて、せっかく話にのめり込もうとしているのに、すっと醒めちゃう、その繰り返しになってしまった。主人公二人がとってもいいのに、すごく惜しいなあ。この辺りのツメの甘さが韓流と言えば、そうなんだけど。

まず、アルツハイマーを宣告する医師がコントのお笑い芸人みたいだ。チョルスの師匠とか言うおじいさんも、しかり。なんで、こんなにコントみたいなの?それとも、これが大まじめなの?理解に苦しむ。チョルスを捨てた母親が借金苦で、その肩代わりをしろって、スジンは言うけど、このあたりは、無理矢理主人公を不幸にするためにエピソード追加しましたー!って風に見える。わざわざチョルスを一文無しにさせなくても、愛する女性がアルツハイマーになるって言うだけで十分、悲しいじゃん。なんでもかんでも悲しいエピソードをねじ込まなきゃ気が済まないかね。

チョン・ウソンは野性的でありながらも、ひたむきに愛する男を好演。まさに女が好きな不良タイプ。現場でデキの悪い工事はすぐにぶっ壊すくせに、宮大工としての下積みがあったから木工などの繊細な仕事も上手。妻のいぬ間にキッチンを改装したりして。で、現場スタッフからあれよあれよと建築士、そして独立。うまく行き過ぎー。こんな男がいたらいいよね、を全てぶち込んだキャラクター。チョン・ウソンはよくやったよ。

だけどもね、久しぶりに再会した時スジンの膝からスケッチブックがポトリと落ちて、そこにはチョルスの顔のデッサンが…みたいな、とってつけたようなクサいシーンが鼻につく。何が何でもメロドラマ的演出をしないと気が済まない。その最たる物がラストのコンビニシーン。店員がみんな身内になってるじゃねーか。目の縁に盛り上がった涙がすーっと引いてしまったよ。


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by galarina | 2006-08-11 21:59 | 映画(わ行)

猟奇的な彼女

2001年/韓国 監督/クァク・ジェヨン

「最後のひねりにやられた、単純な私」
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それほど物語にハマってたんだよね。すぐに病気になる韓流主人公とは対極にある「彼女」のキャラクターがすごい面白くって。韓流ラブストーリーってのは、時々ホントどうしようもないくらいの駄作があるでしょ?だから、まず見る時にあまりモチベーションが上がらないわけ。でもね、終わってみると、この作品は結構お気に入りになった。

チョン・ジヒョンがとても魅力的。電車の中でゲロ吐いたり、平手で男殴ったりしてるけど、憎めないカワイイ奴って感じ。それにね、これくらい豪快に振る舞ってみたいってのは、実は女の子の秘めたる願望なんじゃないかな。やっぱり女って、「女らしさ」に縛られてるわけで、たぶん韓国なんて日本よりもそういう縛りはきつそうなんだけど、そこで敢えてこういうキャラクターを作り出したのがすごいじゃん。どうせやるなら、どんどんやらせろ!ってところでしょ。

で、チャ・テヒョンは情けない男が似合うなあ。普通にしてても泣いてる顔みたいだもんね。だけども、彼女のためにがんばって奮闘するでしょ。その姿が泣かせる。

電車の中で、目の前を通る兵隊の行列が右足か、左足かで賭けるシーン。こういうカップルのお遊びシーンが実に韓流は豊富だよねえ。よくまあ、次から次へと浮かぶなあ、と感心する。もともと恋愛映画が多いという土壌があるから、2人のラブラブぶりを表現するシーンもワンパターンにならないよう、あれこれアイデアひねってんだろうね。こういうところは、フジの月9のスタッフも参考にした方がいいんじゃないの(笑)。

ラストのオチはね、情けないことに見事にひっかかりましたよ。おいおい、なんでアタシ気づかなかったんだよと思ったけど、非常にすっきりしたハッピーエンドだったなあ。いやあ、良かった、良かった、と素直に思えたもん。一番好きなシーンは、高校の制服着てディスコに入る時にふたり並んで店員に免許証見せるところ。ふたりの息がぴったり合ってるところがね、すごく微笑ましくて羨ましい。一緒に悪ふざけしてくれる男って、結構少ないよね、女性のみなさま。


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by galarina | 2006-08-10 21:57 | 映画(ら行)