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by galarina
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シャイニング

1980年/イギリス 監督/スタンリー・キューブリック
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ジャック・ニコルソンの恐ろしさはいわずもがな、なんだけど、特筆すべきは妻役のシェリー・デュバル。この人のこの「ホラー顔」は、何ですか!あまりにもハマりすぎてて、ちょっと笑いが出てしまうほど。しょっぱな登場するシーンで、思わず吹き出してしまった。この人がムンクの叫びしたら、そりゃ「絵になる」だろうな、と。で。まさにその通りだった。

さて、本題。非常に印象的な「絵」が多数頭に残る映画。エレベーターから血の波が押し寄せるシーン。子供が三輪車でホテルの廊下を走るシーン。双子の姉妹が登場するシーン。フラッシュバックのように鮮烈に蘇る。まるで自分の目でシャッターを切ったように、頭の中にこびりつく。こういうところがキューブリックの絵作りのすごいところ。

とにかく「正面アングル」。廊下の手前から奥を映す。ホテルの玄関から奥を映す。しつこいくらいに真正面。これを見ていると、美術の時間に習った、遠近法の描き方のスケッチを思い出す。なぜ、ここまで正面なんだろう。実際、私たちの目に映る景色のほとんどは真正面の構図ではない。やはり「絵」として見せたかったのか、または「見ろ!」と頭を押さえつけられているような感覚を起こそうとしたのか。奇妙な感じというのは、この3人の家族そのものにも言える。まず、この夫婦が全然夫婦っぽくない。まったく釣り合わない。そして、超能力を持つ金髪のかわいい息子が、これまた全然この夫婦の子供に見えない。この3人はどう見ても家族に見えない。この居心地の悪さも、変な恐ろしさに結びついているのかも知れない。

原作者である、スティーブン・キングはこの映画を酷評したらしい。というのも、原作ではしっかり描かれていた主人公やその家族の人物描写が映画ではごっそり抜け落ちているから。確かに、主人公ジャックは、ただ取り憑かれてキレまくってる親父でしかないからね。でも、あのキューブリックがヒューマニズムとか、親子愛とか映画に持ち込むわけないよ。そういうのをそぎ落として、ただただ恐ろしくも美しい絵作りに、完璧に打ち込む。これでこそ、キューブリック。それにしてもジャック・ニコルソンは、完全にイッてる。だって、冒頭ホテルに面接にやってきて、椅子に座ったその時からもう目がイッてる。すでに取り憑かれてる。見てて寒気した。いやあ、ホントにすごいな、この人は。

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by galarina | 2006-07-07 21:46 | 映画(さ行)