「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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ヒロシマナガサキ

2005年/アメリカ映画 監督/スティーブン・オカザキ

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世界で唯一の被爆国、日本が当たり前にしなければならないことが、全くできないでいる。本作を見て、まずそのことを痛感しました。その虚しい現実に打ちのめされそうになりました。原爆の経験と歴史を伝えられるのは、日本人にしかできないのに、もはや伝えることができる人たちがこの世から消え去ろうとしているのです。

痛みを共有することが難しい世の中になりました。感情的な発言はすぐ槍玉にあげられ、相手の立場に立つ前に自己主張ばかりする。世の中はいつからこんなに乾いてしまったのかと虚しい気持ちになることが増えました。それでも、映像の力は偉大です。被爆者たちの証言の生々しさ、その圧倒的にリアルな言葉は観る者の胸を打ちます。

被爆した日本女性がアメリカに渡り無償の治療を受けていた。それをテレビ番組で放映し、被爆した日本人牧師とエノラゲイの乗組員を握手させる。アメリカ的プロパガンダに辟易しつつも、全ての歴史は発信する者、受け止める者によって、さまざまな解釈が可能であり、一面をもって語ることができないことは重々承知。その事実を知ることから、全てはスタートするのです。ですから、本作で初めて見る映像の数々は、全て私にとって実に貴重な経験でした。

なぜ日本の中学校や高校は修学旅行で広島や長崎に行かないのでしょう。なぜ日本は平和教育にもっと力を入れないのでしょう。もしこの映画を全国の中高生に見てもらう運動をしたら、思いもよらない団体から圧力でもかかってしまうのでしょうか。今すぐ始められること、たとえそれがごくごく小さな一歩でも始めなければ、とりかえしのつかないことになってしまうのでは。ひとりでも多くの日本人に見ていただきたい作品です。
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by galarina | 2008-09-14 00:09 | 映画(は行)