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「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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ドラゴン・キングダム

2008年/アメリカ 監督/ロブ・ミンコフ
<MOVIX京都にて観賞>

「大いに満たされたミーハー魂」
ドラゴン・キングダム_c0076382_17105053.jpg


長きにわたってクンフー映画を見続けたファンの方は、この映画に対して様々な異論、疑問、怒りを持たれるのでしょう。それは、とてもよくわかります。多分、それは私にとっては、YMOが3人揃ってパヒュームのバックバンドをさせられる、そんなシチュエーションに近いのではないかと。もし、そんな光景を目の当たりにしたら、きっと悲しくて、まともに見られないだろうな。

でも私は、まだまだクンフーはにわかファンですので、ジャッキー・チェンとジェット・リーという新旧対決をワクワクしながら、思う存分楽しんでしまいました。やっぱりワイヤー満載と言えども、体のキレやポーズの美しさが段違いに違いますもん。また、彼らに限らず1対1の対決シーンがふんだんに用意されていて、にわかファンには次から次へと繰り広げられるクンフーアクションが楽しいの、なんの。

ストーリーはもろ、RPGゲームのような子供だましのものです。そういうものに、ジャッキーとリーが出ているということも、コアなファンには納得しがたいのでしょうね。ただ、小学生の息子と家族で見に行ったものですから、このわかりやすさが良かった。夏休みの家族向け娯楽作と考えれば、こんなに贅沢なキャスティング、楽しまなければ損だと思って、ストレートに喜びました。

オープニングがとても良いのです。クンフーおたく少年の部屋一面に貼られたブルース・リーを始めとする香港映画のポスターが次から次へと立体加工されて、キャスティングを紹介。この映画の製作者もまた、クンフーおたくなんだな、というのが実によく伝わります。タランティーノが古い日本映画へのオマージュを臆さずに表現しているのとちょっと似ている。何だかすごく微笑ましい。その後も、酔拳を初めとする○○拳がいっぱい出てきて、製作者がジャッキーとリーにやって欲しかったんだな、というのが丸わかり。終盤には少林寺まで出てきて、もうクンフーネタのごちゃまぜ、てんこ盛り状態。

嬉しかったのは「ラッシュアワー3」で衰えを感じたジャッキー・チェンが、すごくキレていたこと。まだまだ、いけるぞ。片や心配なのは、ジェット・リー。「SPIRITS」でもう二度とハリウッド映画でクンフーはしない、と宣言していたにも関わらず本作に出演しているし、「ハムナプトラ3」でもしけた悪役をさせられている。彼の心境は一体今どうなんろう、と思う。あれだけのアクションスターはいないわけですからね、どうか納得できる作品に出演して、まだまだ彼の技を見せて欲しいと切に願います。
by galarina | 2008-08-16 17:10 | 映画(た行)