「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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クイーン

2006年/イギリス・フランス・イタリア 監督/スティーヴン・フリアーズ

「スポットライトの当て方が弱い」
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イギリス女王の孤独と誇りを訴える。これ、ダイアナ死後の約1週間という短い期間では、いささか時間不足ですね。それに、彼女の焦燥の火種となる描写に、当時のニュース映像をインサートするという手法が、ちょっとずるいなと思う。事実として説得力はあるかも知れないけど、それを使わずに表現してこそ、もっと上質な映画になったのではないかと思うのです。

結局、この作品を見るに、イギリスではダイアナなくしてイギリスの王室は語れない、ということ。ですからむしろ、ダイアナの何がそこまで国民の心を捉えたのか、という方に興味が湧きます。そして、鑑賞後そのような感想を持ってしまうこと自体、女王そのものを描ききれなかったという欠点を露呈しているんではないしょうか。

ただね。前半部は結構興味津々で見ました。これ、ひとえにゴシップ心が満たされるからなんですね。ダイアナが亡くなった時、王室ってこんなんだったんだ、なんて。だから、ダイアナを取り巻くメディアだとか、それを利用するブレアだとか、まるで「週刊女性」を読んでるような感覚になっちゃうんです。そこんところがね、(冒頭述べたニュース映像もそうですけど)最終的に王室の威厳とか尊厳に落とし込めない大きな障害じゃないでしょうか。そして、このゴシップ感覚が最後まで抜けきらない作品で最優秀主演女優賞?と言う気がします。

女王の気持ちは理解できます。「なぜ、あの女ばかりがもてはやされる?」慎ましやかに伝統を守って生きるより、メディアに出て批判する方がよっぽどラクですもんね。でも、彼女の心の奥底には、何が渦巻いていたのでしょう?ダイアナへの嫉妬か、国民への失望か、理解者を得ぬ孤独か。その辺、もっともっと研ぎ澄ませて欲しかった。意を決して、バッキンガム宮殿に降り立つ彼女の後ろ姿に、もっと心の奥底から込み上げるような感情を味わいたかったのにできませんでした。
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by galarina | 2008-07-13 17:56 | 映画(か行)