「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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狼よさらば

1974年/アメリカ 監督/マイケル・ウィナー

「ニューヨークの乾き」
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「ブレイブ・ワン」の内容が酷似している、ということで観賞。

のっけからやたらとお洒落なジャズサウンドが流れる。音楽は誰かと思ったらハービー・ハンコックなんですよ。カッコいいわけだ。全編に渡ってこのジャジーでメロウなサウンドが心地よく、復讐劇としてのじめっとしたテイストを微塵も感じさせない。チャールズ・ブロンソンの作品を見たことがないとは言わないけれど、久しぶりのご対面。でも、私にはポールがあまりに硬派な男で、実のところ感情的な部分ではあまり入り込めなかった。強盗に妻を殺され、娘が植物状態になっても、あの落ち着きようって、どうなんでしょう。これって、やはり女性としての目線なんでしょうかね。

でも、ケリの付け方がすばらしいです。なるほど、社会とはそんなものだと皆が納得するようなエンディングです。本作も「ブレイブ・ワン」も共に同じ問題定義をしているわけですが、「ブレイブ・ワン」はそこに個人的な感情を介入させてしまった。そこが、賛否両論を起こしている最も大きな点だと思います。本作では、ポールの個人的な感情も、ポールを追いかける刑事の個人的な感情も、あまり大きなウェイトが占められていない。もしかしたら、ポールが妻の死を嘆き悲しみ、復讐に燃えるような感情的な描写を出してしまうと、観客は否応なしにポールの味方になってしまう。それを避けるために、あのような硬派な演出にしたのかも知れません。「ブレイブ・ワン」とは対照的にからっからに乾いた作品。でも、だからダメかというと、そうではなくて、このドライな感じが本作の持ち味のように感じられました。例のジャズサウンドもあって、ニューヨークという街そのものを見事に捉えた秀作だと思います。
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by galarina | 2008-03-04 22:50 | 映画(あ行)