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「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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ウォーターホース

2007年/イギリス 監督/ジェイ・ラッセル
<TOHOシネマズ二条にて観賞>

ウォーターホース_c0076382_15305164.jpg


「E.T」に似ているとか、「のび太の恐竜」に似ているとか。そういう感想を述べるのは不毛だと思う。全ての映画って、そのような形容が可能ですからね。スコットランドの雄大な景色と軽やかなケルトミュージック。十分にオリジナリティのある作品だと私は思います。

ネス湖の風景がとても美しい。ネス湖って、こんなに広いんですね。知りませんでした。丘の上に立って、湖を見下ろすと、美しい湾が広がります。しかし、時は戦争のさなか。その神聖とも言える場所に大人たちは砲台をしつらえ始める。アンガス少年を取り巻く大人たちの身勝手さというのが、少年の純粋な心と対比的に描かれているのがとてもいいですね。理解しようとしない母親、見栄っ張りの軍人たち。そして、一攫千金を企むカメラマン。そんな中、ルイスという流れ者が小屋番としてやってきますが、彼とアンガスの心の交流をもう少し丁寧に描いてくれたら良かったのになあ。

ウォーターホースの背につかまり、湖を縦横無尽に泳ぎ回る様子はとても爽快です。潜行してから、ジャンプする様子もなかなかの迫力。水が怖いアンガス少年が、トラウマを乗り越えるんですね。終盤、潜望鏡と間違う軍人やモンスターを捉えると意気込む男たちから、クルーソーが逃げ回る展開になり、とてもハラハラさせられます。再びアンガス少年とクルーソーが湖を泳ぎ回るのですが、夜の海の不気味さがよく表現されています。

ネッシーというとのんびり湖を泳いでいるようなイメージですが、本作では凄まじい早さで湖底を泳ぎ、まるでシャチのようなジャンプを見せます。これは、やはり映画館のスクリーンで味わいたい迫力でしょう。物語はオーソドックスですが、見終わってから子供に物語を補完するような必要がありません。それはそれで、安心して見られるという良作ということだと思います。

「最後のアレはいらんかったなぁ」とポツリとつぶやいた息子。あれを、蛇足と見たか。なかなか見る目が鍛えられてきました(笑)。
by galarina | 2008-03-03 23:55 | 映画(あ行)