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「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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のだめカンタービレ スペシャル

クラシックの本場、ヨーロッパロケを贅沢に行って、なかなか楽しいスペシャル版でしたね~。年末年始のドラマではダントツに面白かった。

本作はとにもかくにも、上野樹里だろうと思います。玉木くんの白目も話題にはなりましたが、それは開き直れば誰でもできることです。のだめ演じる上野樹里は「ハチクロ」の蒼井優を思い出させます。本来の彼女の性格も似ているのかも知れませんが、これは自分からのだめと言うキャラクターに歩み寄るのではなく、明らかにキャラクターを自分自身に引き寄せている。演技者としての才能を感じます。また、演奏シーンは明らかにダミーであることは誰しも重々承知ではありますが、彼女のピアノを弾く姿には引き込まれます。グレン・グールドしかり天才ピアニストと呼ばれる人は独特の演奏スタイルがありますが、それを演技者が自然に見せるというのは、案外難しいことではないかと思うのです。私は通常ドラマから先日のスペシャルを通じて、のだめが可愛くて可愛くてたまりません。

さて、このドラマは、フジテレビが得意とする「おふざけが過ぎる」ことが、功を奏しました。随所にちりばめられたマンガ的な演出がドラマを大いに盛り上げます。何しろ、音楽の力が大きいですし、クラシックという実に硬い素材を使っているわけですから、他の部分がおちゃらけなほど、コントラストが効いてくる。

ただし。一番懸念されるのは、これでフジテレビが調子に乗ってしまうのではないかということです。(すでにだいぶ調子こいてますが)なぜなら、これは漫画の原作が非常に良くできているからです。フジテレビは、借り物で商売しているんだということを肝に銘じて欲しい。良い素材をよそから拝借して、うまく調理しているのです。ドラマがはやったので映画にしよう、というテレビ局のスタンスには、私は強い疑問を覚えます。映画というメディアは、映画館というハコとあの大きなスクリーンを使って表現したい、という製作者の強い意志があってこそ生まれるべきものです。ドラマにはドラマの、映画には映画のフィールドがあり、そこはしっかりと棲み分けされるべきです。まさか、のだめも映画にしようなんてことにならないことを祈ります。
by galarina | 2008-01-07 23:21 | TVドラマ