「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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ベオウルフ/呪われし勇者

<梅田ブルクにて「3Dバージョン」を観賞>
2007年/アメリカ 監督/ロバート・ゼメキス

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とにかく「3D」の技術が評判が高いもので、観てきました。目の前に矢は飛んでくるし、人間が飛んだり、ひっくり返ったりする様もリアルだし、迫力抜群でした。いたるところで、3D用に構図されている箇所があるため、通常バージョンで観るとなんでこの構図なの?と思うところがあるようです。つまり、3Dでこそ、観るべき映画というところでしょうか。ラストの竜との対決シーンは、まさにそんな感じでした。

しかし、私はとても目が疲れました。映像関係に詳しい方から字幕の位置が前後していることも関係しているのでは?と言われ、なるほど、そうかも、と。3Dゆえに映像の奥行きがハンパないんですが、字幕の奥行き感が一定していないんです。「メガネをかけている」ということも、意外と気になっている上に、字幕を追いかけなきゃいけない。吹き替えで、ただぼーっと絵だけを眺めている方が目には良さそう。というわけで時間があれば息子と「ルイスと未来泥棒」の3Dを見に行こうかな。

最新の映像体験ができた、ということでは満足度高いです。でも、やっぱり私という人間は、映画に対して、映像よりも、物語に重点を置いているんだなあ、ということを再確認できました。それは、この「ベオウルフ」がメッセージ性がないってことではなく、本作が示すメッセージは、私の好みではなかった、ということです。

原作を読んでいないので、勝手なことは言えませんですが、これは「父性」がテーマではないのでしょうか。本作は隅から隅まで、権力を獲得すること、権力を示すこと、権力を維持することにまつわる物語です。その権力を邪魔するのは、女の誘惑であり、我が息子であります。旧約聖書に父が息子を殺す、という話があるそうですが、父の威厳を脅かす息子というのは、非常に良くあるモチーフです。そして、こういう物語は、正直、私はあまり好みじゃないの。ごく普通の現代劇でも父と息子の相克を描いた作品とかって、あんまり惹かれないんですよね(苦笑)。

なので、私は途中からベオウルフという1人の男の物語ということにフォーカスして観ました。そうすると、類い希な力と勇気を持った男の悲劇として、堪能できました。何もかも手には入れたものの、それは悪魔のような女とのたった一度の契り(=契約)によって何とか均衡が保たれているものに過ぎない。それが、いつかは崩れるのではないかという恐怖、愛する妻への後ろめたさ。晩年のベオウルフには、若かった頃の威厳や自信は見る影もなく、昔の栄光に頼って生きているだけ。しかし、最後に勇者としての誇りを見せるわけですね。(あれ?設定は全然違いますけど、ロッキーもそんなテーマだったな…笑)ラストの竜との対決に至るベオウルフは、実に精悍な顔つきで、己の命を賭けてでもけじめを付けようとするその姿には少なからず心を打たれました。それしても、男って哀しい生き物だなあと思ったのは、私だけでしょうか。
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by galarina | 2007-12-23 23:11 | 映画(は行)