「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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グレースと公爵

2001年/フランス 監督/エリック・ロメール

「これは映画なの?まるで油絵の世界」

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御歳81歳の巨匠、エリック・ロメールが描くフランス革命、となれば、ベルばらファンとしては見ないわけにはいかないでしょう。んでもって、とってもとってもステキな作品でした。かなり感激。

まずですね、さすが本家本元のフランス人が描くパリは、リアル&ビューティー。衣装や小物、セットが実に「らしい」感じ。いえ、何も豪勢な感じではないんですよ。「SAYURI」における、真っ赤な長襦袢や桜吹雪で、そうじゃないんだよって日本人が感じる違和感あるでしょ?あれと同じで、フランス人の手によって作られたこれぞ正真正銘の「パッリー」って雰囲気。

しかも、本作、街並みは油絵!で人物をCG合成している。実は、最初CGがらみってことを聞いて見るのをやめようかと思ったんですけど、これがめちゃくちゃしっくりきてるんですねえ。感激したのは、その油絵独特の濃淡が屋内撮影でも存分に導入されていること。ベッドに横たわる貴婦人、紅茶を飲むオルレアン公、針仕事をするメイド…何もかもが本物の油絵みたいなの。これには驚きました。とにかく、明度の低い映像なのに濃淡の出方がスゴイ。

さて、舞台は、革命まっただ中のパリ。主人公は、英国人で王党派のグレース・エリオット。彼女は、イギリスからルイ16世の元にやってきて、その美貌と知性から国王のいとこであるオルレアン公の愛人になった人物。愛人関係を解消した後も、二人は恋愛を超えた信頼関係で結びついている。彼女の視点から当時のパリを描くわけだけど、フランス革命はバッチリ!と思っていた私も彼女のこと、知りませんでした。まだまだ勉強不足だなあ。

グレースはイギリスから来た外国人でありながらもフランス王室を愛している。そんな彼女が誇りを持って立ち居振る舞い、革命の嵐に翻弄される男たちに毅然と自分の意見を述べる。フランス革命って、これまでアントワネットの立場でしか見てないもんだから(笑)、周辺人物の口から語られることが何もかも新鮮でした。結局オルレアン公は、革命を指示する側に周り、グレースとは思想的には対立するわけです。しかし、二人の愛情は変わることがない。これが、いかにもフランス的大人の関係だと思いませんか。実にエリック・ロメールらしい。愛情を超えた信頼関係ってどうなの、なんて凡人は思ってしまいますが、知性と教養にあふれた男と女ならば可能なのですね。

まあ、とにかく絵の美しさと時代を映し出す再現力、そして恋愛を超えた大人の男と女の物語を存分に堪能いたしました。ただ、ひと言。フランス革命に詳しくないと、時代背景さっぱりついていけないと思います。なーんも説明ありませんから(笑)。詳しくない人は事前のお勉強が必要かもね。
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by galarina | 2007-10-04 23:04 | 映画(か行)