「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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ハゲタカ 4

2007年/日本 NHKドラマ

「キャスティングの大勝利」
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いよいよハゲタカの狙いは日本を代表する大手メーカーへ。レンズ作りを基本に戦後大企業と成長した大空電気の大株主となったホライズンは大胆な人員削減を提案するが、決してリストラしないことを主義とする大木会長と真っ向から対立する。家族主義&終身雇用を死守するか、ドラスティックな改革で会社を立て直すか。構図としては、よくあるパターンだし、これまでも散々扱われてきたテーマではある。しかし、大木会長のカリスマとしての存在感をバックに真っ向から両者が対立する様は見もの。というのも、この回から新たに菅原文太、大杉漣、田中眠というビッグネームお三方が参戦。役者陣の層がハンパなく厚くなるからだ。

病床の大木会長が語る「モノ作りの原点」。大空電気の事業内容を見れば、キヤノン+松下がモデルかと思うが、シャープなり、サンヨーなり、ホンダなり、日本のメーカーにお勤めの方なら、我が企業に置き換えて見ることができるだろう。大木会長の熱意にほだされて何とかまとまりを見せる株主総会。うーん、それでいいのかあと思っていたところへ、「とんだ茶番だ」と言う松田龍平のセリフがすかさず入る。本作、視聴者として、時には日本企業側の気持ちになるし、時には改革者の気持ちにもなって、両サイドを揺れ動く。その揺らし方が絶妙。この両者の対立が一体どのように収集がつけられるのか、と最終回に向けて期待は膨らむばかりなのだ。

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<これでもかと声のイイ俳優を集めた脇役陣>
「ハゲタカ」の重厚感の大きな一翼を担っているのは渋すぎる脇役陣。しかも、やたらと低音ボイスが心地よい中年俳優をどっさりつぎ込んでいる。宇崎竜童、中尾彬、嶋田久作、志賀廣太郎、大杉漣…。特にハゲタカファンドにお勤めの嶋田久作と志賀廣太郎は、出演シーンは少なくても声だけで存在感ピカ一。中尾彬にしても、いつもの悪代官みたいな役回りではあるのに、あくどさが浮き出ず全体の登場人物に馴染んでいる。それは、おそらく同じトーンの声の役者が集まっているからではないかと思う。

今回、このドラマを見ていて、声質が似通った役者陣が多いと言うのは見ていてこんなに落ち着くものかと思った。出力レベルが一定、とでも言うのだろうか。まさか、声だけでキャスティングはしていないだろうけど、落ち着きと存在感、全体のバランスなど、キャスティングの勝利と言ってもいい。よく民放のドラマにおいて、この俳優が出ている時はなぜかこの女優も一緒出ている、ということがよくある。そういう場合は、ほぼ間違いなく同じ事務所のセット売り、というやつだ。NHKにも全くないとは言わないが、民放ほどは事務所の売り込みや企業の思惑がキャスティングを左右しないもんなんだろう。全6回というコンパクトなドラマの中で全てのキャストがぴしっと決まった爽快感がこのドラマには満ちている。
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by galarina | 2007-09-03 23:58 | TVドラマ