「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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ブギーナイツ

1997年/アメリカ 監督/ポール・トーマス・アンダーソン
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やってることは超くだらなくてバカバカしいのに、映画的な深みがあるし155分という長尺をまったく感じさせないリズム感あふれる映像。アンダーソンの映画監督としての力量をまざまざと感じさせる。めちゃめちゃおもしろいです、これ。

私は映画って、監督の個性を楽しむものだと思ってる。だから、誰が撮っても一緒みたいな作品が一番つまらないと思う。そういう意味でアンダーソン監督のバカバカしさと深刻さを行ったり来たりするやり方は、個性的でとても好きだ。

そもそも「大きなイチモツゆえにポルノ業界でのし上がった男の栄枯盛衰物語」なんて題材をよくまあ、ここまで映画的に練り込んで仕上げたな、と感心する。題材はキワモノだけど、映画としての完成度がすごく高い。まず、カメラワークがすごくクール。前半は次から次へと繰り出される70年代ソウルミュージック(ほんとにとぎれることがない!)と、流れるようなカメラワークがピッタリ息が合っていて最初の1時間はあっという間。

また、主役以外の脇がしっかり目立っていて、群像劇としても存分に楽しめる。私のお気に入りはフィリップ・シーモア・ホフマンとドン・チーゲル。ドン・チーゲルは、今作ではほんとに愛すべきおバカな役。カントリーが好きな黒人で、ファッションセンスは最悪。イメチェンしたって言ってカツラをかぶってぽつんとパーティ会場にひとりで座っているその姿は「クラッシュ」とは似ても似つかない。ホフマンは太ったオカマ。額にぺったり張り付いたボブカットが笑える。

ヤク中の役のアルフレッド・モリナは「ショコラ」では市長さん、「ダ・ヴィンチコード」では大司教をやってるんだが、本作のハジけっぷりと来たら、すごいんだ。パンツ一丁でガウン羽織ってさ。ジュリアン・ムーアもコカインしこたま吸ってヌードになってるし、この人がこんなヘンな役やるか~というおもしろみもいっぱい!

70年代から80年代になって、BGMもソウルからロックに。スターになったポルノ男優もヤクのやり過ぎで一気に転落。そして、ポルノ産業はフィルムからビデオの時代に突入。時代の浮き沈みをからめながら、全ての登場人物の人生模様を時におかしく、時に悲しく描き出す。全てにおいて監督の才能があふれた傑作。サントラ欲しいなー
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by galarina | 2006-12-23 14:28 | 映画(は行)