「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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復讐者に憐れみを

2002年/韓国 監督/パク・チャヌク
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こりゃ、すげえや。後味悪いとか、血が多いとかとか、そういう部分で文句つけようと思ったら、いくらでもできるさ。だけどね、映像の美しさ、構図のこだわり、カメラワーク、色遣い。画面の作り込みは、とっても監督の才能を感じる。どんなに残酷なシーンも美しい映像にしたい、という意気込みは半端じゃない。

今作は復讐三部作の第一部。この後「オールドボーイ」「親切なクムジャさん」と続くわけだが、第一部だからといって、後の2作より見劣りするかというとそんなことは決してない。大体こういう三部作なんて銘打って作る場合は、大なり小なり優劣が出るもんだけど、3作品ともそのクオリティは高い部分で拮抗している。これはすごいことですよ。

これは好みの問題かも知れないが、美術が好き。特にボロアパートのインテリアや壁紙、小物たち。姉弟が住んでいる壁紙の模様とか、掛けてある絵画なんかがすごい私の好みにドンピシャなんだよね。チープだけどオシャレ。「オールドボーイ」の主人公が閉じこめられてたアパートも、クムジャの部屋もカッコ良かった。あと、ペ・ドゥナが来ている洋服もセンスいい。

「絵」として気に入っているのは、リュウが腎臓を提供しに鉄の階段を上がっていくところを横から捉えたシーンとか、リュウの足首から噴き出した血が川に赤い模様を形作るところなど、たくさんある。カメラマンが監督の撮りたいものをしっかり理解しているんだろうな、と強く思う。

非常に残酷で不条理な話だけど、ちょっとしたユーモアも非常に効いている。腎臓を入れる氷はわざわざサーティーワンで調達してくるし、チラシを配るユンミもコミカル。復讐に燃えるドンジンは、「電気ひと筋」な男だから復讐方法も電気系統というのも笑える。この辺は、話が残酷だからちょっとくらい面白いことを入れてやれという作為的なものではなく、可笑しいことも残酷なことも日常の中に混在しているということのように感じる。

それにしても韓国の俳優ってのは、つくづくタフだなあと感心する。主演の3人はいずれもトラウマになりそうな強烈な演技を披露してくれる。この後、ラブストーリーに出演、なんて話が来たら切り替えできるんかな。ペ・ドゥナの最期なんてそりゃ悲壮ですよ。だけど、すごい根性だね。肝が据わってる。ちょっとおっぱいが見えたのどうのって、ぎゃーぎゃー騒いでる日本映画の事情が情けない。直情型のへんてこりんな学生運動家をペ・ドゥナは実に愛らしいキャラクターにしていた。

シン・ハギュンは、声が出せないというハンデを全く感じさせない演技。不幸のどん底まで突き落とされた悲しみと何かにぶつけずにはいられない負のエネルギーを体中から出していた。そして、ソン・ガンホ。執拗にリュウを追いかける静かな復讐者。巧いです。


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by galarina | 2006-10-09 17:00 | 映画(は行)