「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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キンキーブーツ

<OS名画座にて>
2006年/イギリス 監督/ジュリアン・ジャロルド

「笑って、泣いて、バンザーイ!」
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亡き父がのこした、倒産間近の靴工場を継いだチャーリー。ひょんなことでドラッグクイーンのローラと出会った彼は、“彼女”が履く派手なブーツ(キンキー・ブーツ)の生産を決意する。そして、ローラを工場に迎え、商品開発に励むが…。

ドラッグクイーンのドラッグは、麻薬のDRUGではなく、引きずるのDRAGが語源。正式にはドラァグ・クイーンである。豪華なドレスをずるずると引きずることが由来だったと思う。私が思い描くドラァグ・クイーンは、他者を圧倒する存在感と美しさを持つ孤高な存在。ヘドウィグが、まさにそう。だけども、今作のドラァグ・クイーンのローラは、少々がたいも大きく、声も太いし、孤高の美しさとはちと言い難い。最初は「ええ~」と思ってたんだけども、最後にはだいぶ慣れた(笑)。ローラを演じるキウェテル・イジョフォー、大きな口をさらに大きく開けて歌うドラァグ・クイーン特有の歌い方はかなり堂に入ってました。

この物語の主をなすのは「乗り越えていく」ということ。主人公チャーリーには、2つの乗り越えるべき事がある。工場の再生と婚約者との冷えた関係だ。「俺に何ができる?」が口癖の情けない男チャーリーは工場で働く職人たちからも見放されている。しかし、キンキーブーツを作るという一大決心が、やがて工場の団結を生み出し、本当の愛も手に入れる。

工場で働く職人たちもまた、ゲイへの偏見を乗り越えるし、ゲイのローラはドレスを脱ぐと弱気になる自分を乗り越える。人生、まずは乗り越える勇気が大事さ!見終わった後、よし、がんばろう~という気にさせてくれる。

ただね、少々毒気が足らないなあ。最終的には、ミラノの見本市に出品して、死にかけのブランドが一発逆転!な展開なワケだけれど、どうもそういうカタルシスが弱い。それは先に言った「乗り越える」前の状態があんまりどん底に見えないからなんだよね。これはおそらく演出的なことなんだろうけど。それに、ドレスを脱いだら弱気な男になっちゃうローラ。彼女の気持ちの移り変わりにも、もう少しスポットをあてて欲しかったな。

そうそう、チャーリーとローラ、そしてローレンを最初から三角関係にして、恋のさや当てをしても面白かったかも。107分の映画だから、このあたりふくらましてももっと良かったんじゃないかな~。

とはいえ、笑いのセンスはなかなかだし、テンポもイイし、鑑賞後も爽やかな気分になれる良質の映画。ラストのミラノのショーのシーンは、すごい盛り上がったんで、もう1曲踊って欲しかったなあ。あと、工場での手作業による靴作りの場面は靴好きの私にとってはすごく楽しめた。モノ作りの楽しさがすごい伝わってくる。実話がもとになっているので、「キンキー・ブーツの製作工程見学ツアー」なんてあったらぜひ行ってみたいなあ。

それにしても。

この映画、関西圏では大阪で1館のみの上映ってどーゆーこと!京都でも神戸でも上映していないなんて…。シネコンにひっかからなきゃ、観られる映画館がものすごく制限されてしまうのが、もの凄く悲しい今日この頃です。

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by galarina | 2006-09-04 22:33 | 映画(か行)