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「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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17歳のカルテ

1999年/アメリカ 監督/ジエームズ・マンゴールド
17歳のカルテ_c0076382_010326.jpg

思春期には誰だって、思う。私は何のために生きているのだろう。私に生きている価値はあるのだろうか、と。そんな時期に親の離婚だとか、彼(彼女)とのトラブルだとかがきっかけになって、精神的にひどく追い詰められることは誰にだってありうる。この映画では、そんな様々な精神的ダメージを受けながら生きてゆく少女たちが描かれている。

ウィノナ・ライダー演じるスザンナは、文章を書くことが好きな頭のいい少女。この子は、まじめで頭が良すぎるんだね。だから、物事を深く考えてしまう。で、薬をひと瓶飲んで自殺をした結果、クレイモアという精神病院に入れられる。スザンナは「内に向かう」タイプで、いろいろ悩んではひとりで抱え込んでいる。役としては非常に地味なんだけど、ウィノナ・ライダーはこの役にあっていたと思う。どうしても、リサを演じるアンジェリーナ・ジョリーの演技に食われてしまうんだけど、これはもう役自体がそういう関係性だから仕方ない。確かに脱走後、再び戻されて魂の抜けきったような演技や、辛辣に相手を打ち負かす悪魔のごときアンジェリーナ・ジョリーのキレっぷりは、スゴイ。この2人の対比は非常にうまく描けていた。

ただ、私が驚いたのは、看護師のウーピー・ゴールドバーグの存在感。この人には、ものすごい包容力を感じる。画面に映っただけで、「全てあなたに任せます」って感じ。何だろう、このとてつもない安心感は。アタシだけかな。黙って微笑むだけで、私は全部わかってるわよってオーラがびしばし出るんだなあ。だから、この人は修道女とか、看護師とか誰かを見守る役がものすごくはまる。

リサの奔放なところにひかれ、振り回されながらもスザンナは最後にしっかりと自分の心の着地点を見つける。もちろん、それは友人の自殺という悲劇がきっかけになっているのだけど、その心の流れに、私は素直に共鳴できたな。「自分を見つめる」ということに、とても真摯に取り組んでいるウィノナ・ライダーの演技がとても良かったからだと思う。


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ブログ村 映画ブログ
by galarina | 2006-07-23 18:07 | 映画(さ行)