「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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ダンサー・イン・ザ・ダーク

2000年/デンマーク 監督/ラース・フォン・トリアー 
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私の映画史の見事「ワースト1」に輝いた作品。これを「ワースト1」にあげる人がいるなら、おそらく「ベスト1」にあげる人もいるに違いない。それだけの完成度がある。が、しかし、完成度が高いからこそ、腹が立つ。そんな気分。この映画を絶賛する人の話を聞いてもなお、私にはもう二度と見たくないという思いしか湧いてこない。

例えば。「こんなに後味の悪い結末なら見なければ良かった」という人がいる。まさにこの映画にもあてはまる一つだ。でも、私はそうではない。後味がどんなに悪くても、見てよかったと思える映画は無数にある。人種差別のせいで無実の罪で投獄されてまう話、戦争に借り出されむざむざと死んでしまう話、児童虐待がトラウマになり犯罪者になってしまう話…etc。テーマが重ければ重いほど、見終わった後に考えさせられることは多いはずなのだ。

本作の主人公セルマはその無知ゆえに不幸のどん底まで突き落とされる。それが見ていてあまりにつらい。「馬鹿な親のせい」とか「国家のせい」という言い訳が全くできない。「自分のせい」でどんどん不幸になるのだ。それでいくら彼女の生き方が純粋だからと言っても、その姿に私は全然感動できなかった。むしろ、いつか彼女は救われるのだろうか、というほのかな期待が打ち砕かれた時に、ぶつっと一方的にコンセントを切られたような不快感に陥った。

それから、ミュージカルシーン。セルマは過酷な現実から逃れるために、つらい時に心の中でミュージカルスターになる妄想を抱く。それは妄想であるにも関わらず、これでもかと言わんばかりの完成度の高さで見せる。それが無性に腹立たしいのだ。妄想の中で輝けば輝くほど、セルマの不幸さは、ひときわ際立つ。いったい何のためにこのミュージカルシーンがあるのか、私にはわからない。

それにしてもセルマの生き様に感動できない、と語ることは、まるで自分の心の狭さをさらけ出しているような気にさえなってくる。そういう意味でもこの映画は嫌いなんである。

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by galarina | 2006-07-22 00:30 | 映画(た行)