「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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奇人たちの晩餐会

1999年/フランス 監督/フランシス・ヴェベール
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これぞフレンチコメディの王道。あー、おもしろかった。で気持ちよく終われる。まずもって、エリートたちがバカな奴を呼んで、そいつを種にメシを食うってのが、すごい悪趣味でしょ。こんな設定を考え付くなんて、さすがフランス人。もちろん、招待されたバカな奴はなぜ自分が呼ばれたのか知らない。そして、いよいよ真打ち「ピニョン」の登場。ピニョンって、名前がもうバカっぽい。ピニョンを演ずるのはフランスの有名な喜劇役者ジャック・ヴィユレ。この人のために脚本を書いたらしく、当たり前だがはまり役。

最初の展開からして、「バカを笑う奴が、いつのまにか立場が逆転して…」というストーリーは誰でも思いつくもの。そういうこちらの予想を見事に叶えつつも、しっかり笑わせてくれるのはさすが。ドカンドカンと大笑いではなく、クスクス笑い。

映画の前半、観ている我々は、ピエールの視点でピニョンを見ている。つまり我々もピニョンのことを「なんてバカなヤツだ」と思って観ているわけだ。ところがどっこい、後半になると我々の視点はピエールからピニョンへと変わっていく。「ピエールってなんていけすかない奴なんだろう」、と腹立たしくさえなってくる。この視点の移動が非常にスムーズ。

また、ピニョンを演ずるジャック・ヴィユレが非常に巧い。おバカなピニョンがふと発言する人生の真実、そして彼のもつ純粋な人間性を観ているうちに、「バカと笑う奴こそ、本当のバカなんだ」と気づいてくる。人間に優劣をつけることの愚かさや、他人を笑いものにする人間の傲慢さに気づく。(ま、それでもピニョンは徹底的におバカに描かれているのだが)。

でもね、決して説教くさくないんだな。あくまでもコメディだから。80分なので、さらっと見られるんだけど、見終わった後きちんと余韻が残る。中島らもちゃんはよく言ってましたよ。小説書くのは長編より、短編の方が難しいって。しかも「笑い」が一番難しいって。だから短い時間で、笑わせて、考えさせてくれる映画ってのは、とても作るのが難しいのかも知れないなあ。

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by galarina | 2006-07-20 17:27 | 映画(か行)