「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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東京タワー

2004年/日本 監督/源孝志 
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CMプランナーの夫を持ち、東京でセレクトショップを経営する女が、20歳年下の男の子と一目ぼれして恋に落ちる。まずこの設定からしてかなり上滑りである。それでも、見ようと思ったのは、少なからずもこの妄想物語が何とか年の差カップル喜びやつらさを映画的に見せてくれないか、という期待があったからだが、それはすっかり空振りに終わってしまった。だいたい「東京タワーの見える部屋でグレアム・グリーンの小説を読みながら、ラフマニノフのピアノ曲をBGMにただひたすら彼女からの電話を待っている21の男」って、そんなんいてまっか?

女が41で男が21のカップルがもしいたとして、それが3年余りも付き合っているのだとしたら、おそらくそこには性的な強い結びつきがあるからに他ならない。男にとっては、年上の女との逢瀬に同年代の女性では味わえない快楽が必ずや存在しているはずなのに、一切そんな部分は出てこないし、一方40を過ぎた女が若い男の肉体に触れることの喜びや愉悦も一切表現されていない。私は原作は未読なのでそのあたりの描写が原作にあるのかどうか分からない。しかし、これだけの年の差カップルに深い結びつきがあるとしたら、その性のあり様を描かずにはまず映画として成立しないんではないだろうか。岡田准一演じる透は、母子家庭で母の友人と恋に落ちるわけだから、母との関係性をもっと深く描いていたら、この恋にももっとリアリティが出たかもしれない。岡田准一と黒木瞳というキャスティングだから、激しいラブシーンは無理だとしても、例えばモノローグで性について語らせるという手もあったはずだ。

この映画は、2組の年の差カップルの物語が並行に描かれていて、もうひと組は寺島しのぶと松本潤のカップル。このふたりの方がはるかにリアリティがある。それは松本潤が根っからの年増女キラーで、以前つきあっていた女の子の母親とも深い関係になり、それ以来その彼女からもつきまとわれている、といったキャラクターへの肉付けがそれなりに施されているからだ。松本潤がこの映画ではいちばんいい。が、しかし、しょせんこの二人はサブーストーリーとしての存在なんであって、この二人が生々しいほど、岡田准一と黒木瞳は浮きまくる。その浮き加減を鼻で笑って楽しむ、最後はもうやけくそでそんな感じ。だって、ふたりの行き着く先は「パリ」なんですもの。

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by galarina | 2006-07-11 12:02 | 映画(た行)