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「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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ナビィの恋

1999年/日本 監督/中江祐司 
ナビィの恋_c0076382_1612063.jpg

おばあの恋の顛末が最高。こんな結末あり!?ありなんでしょうよ、ええ、ええ。いいんじゃないのーとひとり盛り上がってしまう。で、沖縄の自然と音楽が満ちあふれ、見終わった後「あー沖縄行きてー」となることマチガイなし。

おばあは終始恋する顔ですなあ。サンラーを想って恋文をしたためるシーンは恋する乙女です。おばあなのに名前がナビィというのもシャレてます。これ、沖縄ではメジャーな名前なのでしょうか?私は最初主演の西田尚美がナビィなんだと思っていたのでびっくりしました。

この2人の恋の行方がひとえに切なくなるのも、現在のナビィの夫、つまりおじいの恵達がとてつもなくいい人だから。恵達を演じる「登川誠仁(のぼりかわせいじん)」は三線の第一人者で、沖縄のジミ・ヘンドリックスと言われるほどの大物だとか。彼のことはこの映画で初めて知ったけど、常に三線を弾きながら、今思ったこと!を歌うシーンがどれもすばらしい。もしかして自分の妻をかっさらっていくかも知れないサンラーに向かっても三線を弾きながら「島の女はみんなあなたに惚れる~」と言うようなことを歌って見送るその懐の深さ!監督は登川誠仁氏に何度もお願いして映画出演を頼んだそうだが、その甲斐あって本当に彼の出演シーンが心に響くものになっている。

おそらくアメリカの占領下にあったからなのだろう、おじいはしゃべり言葉の随所に英語が入る「とぅえるぶさーてぃーにらんちもってきてね~」というようなことを三線で歌いながら仕事に出かけていく姿のまあ、愛らしいこと。おいおい、おばあはこんなにかわいいおじいを置いて、昔の恋人のところにいっちまうのかあ、それとも止めとくのかあ、とハラハラし通しだった。

とにかく、おばあの最後セリフには、ぶっ飛び。こりゃもう笑うしかない。沖縄が持つ戦争体験の悲しさもそこはかとなく描かれており、92分という尺も見やすくていい。真っ赤なブーゲンビリアと青い海と切ない恋がいつまでも心に残る、とっても素敵な映画。
by galarina | 2006-07-10 14:49 | 映画(な行)