「カーサ・ガラリーナ」にお引っ越ししました


by galarina
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大誘拐

1991年/日本 監督/岡本喜八 
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老女役の北林谷栄が豪快。関西弁で軟弱な誘拐犯の尻を叩き、警察を手玉に取る痛快な演技が全編にあふれている。この人1911年生まれ。この作品に出た時は80歳で、各賞を総ナメに。2002年に「阿弥陀堂だより」と「黄泉がえり」に出ており、この時91歳!すごい。今村昌平、市川昆、新藤兼人など昭和の名匠の作品に古くから出続けているが、当時から何だかおばあさんの役が多かったような気が…

映画のテンポも非常に良く、80歳の北林谷栄のイキのよさに引き込まれる。しかし、そのイキの良さだけではなく、かわいさとか懐の広さもあって、このおばあちゃんの言うことなら聞かなきゃね、と誘拐犯ならずとも思わせてしまうところが憎い。

そして、北林谷栄に昔使えていた女中がその真意をくみ取り、自宅をアジトとして提供し、奉公するのだが、この役が樹木希林。これがまたおもしろい。この人はどんな役でもいい味出すよなあ。果たして百億は手に入るのか…というサスペンス的展開もきっちり押さえられていて、最後までハラハラドキドキ。そして、なぜ老女が「百億」という金額を設定したのか、というオチもしっかり用意されている。そしてそこには、ずっと反戦を訴えてきた喜八監督のメッセージが込められているのだ。

現金受け渡しの場面など、今見ればサスペンスとしてはちゃちに見える部分もあるが、それはそれ。しっかり映画の世界に入り込めるから気にならない。喜八ワールドがエンターテイメントとして、最も開花した作品ではないだろうか。

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by galarina | 2006-07-10 12:02 | 映画(た行)